ボランティア保険について (3)

ボランティア保険の補償内容と条件

ボランティア保険の補償内容と条件は,大枠でいうと

・ボランティア活動中の急激・偶然・外来の事故によりボランティア自身が身体に被った傷害を補償する「傷害保険
・ボランティア活動中に第三者の身体や財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償する「賠償責任保険


 
 
の2種類です。その内容について概要を改めて説明する必要はないでしょう。両者とも補償範囲や金額は,近年おおむね拡大・上昇する傾向にありましたが,ここでは注意が必要なところについて触れていきます。

まず,傷害保険についてですが,死亡・後遺障害入通院の保険金の上限額,支払い対象日数などは,もともと加入した都道府県やプランによって異なりますが,新年度になって引き下げられたり,補償範囲が狭められたりするなど,条件が厳しくなっている場合があるので注意を要します。近年では,特定感染症(東京都の低額のプランでは適用除外)食中毒(O-157などの細菌性食中毒を含む)も補償の対象になっています。また,熱中症(日射または熱射による負傷)も,補償対象に加えるところが多くなりました(東京都は天災プランのみ補償)が,実際上,過失とみなされ,保険金が出なかったり,減額されたりすることが懸念されます。

ここで,基本プラン天災プランについて述べておきましょう。多くの都道府県のボランティア保険では保険料や補償額・補償対象などを複数のプランに組んでいますが,そのうち,地震・津波・噴火などによる負傷を補償対象とするものが天災プラン(天災特約)です。これらは基本プラン(通常プラン)では補償されないため,設定されています(ただし,台風等による風水害による負傷は補償されるとされていますが,地震・津波・噴火の被災地における風水害の扱いなど,補償の実態は不明です)。また,それは「傷害保険」についてのもので「賠償責任保険」までが補償対象を拡大するのではありません。被災地での活動に当たって加入を推奨されているものがこの天災プランです。おおむね基本プランの1.6~2倍の保険料となっています。一方で給付金が2/3程度に抑えられるもの(東京都・宮城県・京都府・兵庫県)や,低額のプラン相当の特約となっているもの(大阪府),入通院の保険金の限度日数を延長したもの(愛知県)もあります。

このほか,活動中(往復途上を含む)にボランティア保険の給付対象にならない事由で死亡した場合に給付する死亡見舞金(東京都・京都府・兵庫県)もあります。

賠償責任保険についても,注意点・相違点について述べていきます。

補償範囲が,目に見える形でなされた損害以外に及ぶものもあります。人格権侵害についての補償がそれです(東京都・宮城県・愛知県)。ボランティア活動に関して,名誉毀損やプライバシー侵害で損害賠償を求められた場合の補償で,傾聴ボランティアが道義的に求められる守秘義務を怠ったり,情報ボランティアがプライバシーや個人情報を暴露したりしたことによるものが考えられます。

ボランティアが活動中に携帯していた日常生活用品が偶然に破損した際の携帯品補償がつくもの(宮城県・京都府)もあります。

パンフレット記載の,保険金の種類・金額のほか,保険金をお支払いする場合/お支払いできない主な場合などを確認してください。故意または重大な過失・心神喪失・自殺行為によるものなど,一般的な損害保険の免責事由とあわせて,放射線被ばくによるものが補償されないなど,今般の時勢で注意すべきことも書かれています。

最後に

ボランティア保険について述べてきましたが,ここでは解説や講釈をすることが目的ではありません。また,ボランティア保険の補償対象にならないものの中にも,有意義な活動があることを忘れてはなりません。

当然のことながら,ボランティア活動には,不便困難はもとより危険も伴います。逆に言えば,それらがないところに,活動の必要性も意義もありません。それ故に,リスクマネジメントの観点から,活動のあり方や活動に臨む姿勢などを,確認・点検する必要があります。ボランティア保険について知ることも,その一助となるでしょう。

ボランティア活動に参加するすべての皆さんが,期するところ素晴らしい成果として実現・達成されることを,そうした役立ちと学びの増進に寄与できますことを,お念じいたします。


資料:ボランティア[活動]保険の案内 2011(平成23)年度

※加入に当たっては,当該都道府県の,当該年度の資料をよく読んでください。

東京都
東京都社会福祉協議会・ボランティア保険のご案内(平成23年度版)
補償プランのバリエーションが多い。
(参考;2002(平成14)年度 個人サイトにてhtml化して保存)
平成14年度版ボランティア保険のご案内
以前と比較すると,近年では,プランのバリエーションが増えたり,規定が厳格化されているのが解ります。

宮城県
宮城県ボランティア活動総合補償制度(ボランティア活動保険)
平成23年度版ボランティア保険のご案内
東日本大震災を受けての「大規模災害特例措置」の適用により,ボランティア保険(天災型)が,加入当日から補償開始になるのは9月11日まで。

愛知県
福祉の保険
ボランティア活動保険

京都府
ボランティア保険 概要

大阪府
平成 23年度 ボランティア保険ガイド
ボランティア 活動保険

大阪市
ボランティア保険(平成23年度版)
ボランティア活動保険

兵庫県
兵庫県ボランティア・市民活動災害共済(保険)
兵庫県ボランティア・市民活動災害共済のご案内(平成23年度)
プランのバリエーションなし。
地震、噴火、津波等天災地変については,別途「兵庫県天災ボランティア保険」(830円。傷害保険金が,死亡・後遺障害上限2635万円→1615万円,入院日額9千円→7千円,通院日額5千円→3千円と,通常プランより抑えられている)で対応。
兵庫県ボランティア活動保険<災害特例型>
加入時即適用。ただし適用対象の活動に要注意。被災地現地の受入機関・体制が廃止・縮小されると,受付終了,失効するとの情報あり。

上記以外の道県の社会福祉協議会→全国社会福祉協議会を通じて扱われるボランティア保険など
ふくしの保険
ボランティア活動保険

※pdf ファイルはダウンロードしにくいところがあります。


被災6県 ボランティア負傷の保険申請相次ぐ  2011年6月16日 スポニチ


追記

筆者(当サイト制作者・管理人)は,東京都港区社会福祉協議会都市生活改善ボランティアで登録し,活動内容は,

・都市生活・まちづくり・環境・交通に関する調査・提言
・被災地復興・被災者生活再建支援(阪神淡路大震災・東日本大震災 等)
・WEBを通じた情報発信・交流及び関連技術(外国語・デザイン・アート 等) など



として,天災プランBに加入しています。
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「復興住宅訪問600回へ 神戸のボランティア団体 HPで問題共有
「時間重ねて見える問題も」「復興住宅訪問600回へ 神戸のボランティア団体

神戸新聞 神戸版 2014.3.23
住民の悩み聞き続け 神戸・週末ボランティア 新生 「将来の一助に」 復興住宅訪問、仲間募る

毎日新聞 神戸版 2014.3.23
「神戸・週末ボランティア新生」、被災者訪問30回目/兵庫

産経新聞 神戸版 2010.11.28
若者にも被災者支援の輪 神戸市民グループ「週末ボランティア」

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